介護報酬の大幅増を 日本生活協同組合連合会が厚労省に意見書

2023年1202 福祉新聞編集部

日本生活協同組合連合会(土屋敏夫代表理事会長)は11月21日、2024年度介護報酬改定について、介護事業者が物価高や賃上げに対応できるよう大幅な引き上げを求める意見書を厚生労働省に提出した。他産業への人材流出を防ぐため、処遇改善の新たな財政的支援も必要だとした。

 

厚労省の介護事業経営実態調査では全サービスの22年度平均収支差率は過去最低の2・4%となり、生協連は「経営体力の低下は顕著」と訴えた。

 

また、小規模多機能型居宅介護などの包括報酬型サービス(1カ月の報酬を定めて払う)について「中重度者らの在宅生活を支えるのに有効なのに整備が進んでいない」とし、補助金の充実や市町村をまたいだ利用を可能とするよう提言した。厚労省が検討している「新たな複合型サービス」(訪問介護と通所介護を組み合わせる)については、まずはモデル事業で検証することを求めた。

 

さらに訪問介護について、厚労省の調査で収支差率は7・8%だったことに対し、「現場の実態とかけ離れている。ヘルパーの確保に苦戦し、サービス回数が減っている」などと説明し、早急に対策を講じるよう要望した。

 

意見書は日本医療福祉生活協同組合連合会、全国コープ福祉事業連帯機構と連名で提出した。