介護報酬の経過措置終了まで半年切る 厚労省、改定事項への対応促す

2023年1030 福祉新聞編集部

2021年度介護報酬で3年間の経過措置(24年3月末まで)が設けられた改定事項について、厚生労働省は経過措置終了まで半年を過ぎたことから、改めて改定事項を確認して必要な対応をとるよう促している。

 

経過措置は、介護報酬改定で新たに義務化された事項などについて、事業所が対応するための準備期間として設けられている。

 

24年3月末に経過措置が終わり全サービスに義務付けられる事項は、感染症や災害が発生した時に必要なサービスを提供できるようにするための業務継続計画(BCP)の策定、研修・訓練の実施。

 

また、感染症対策、高齢者虐待防止として、それぞれ委員会を開催して指針を作り、研修・訓練を行う。高齢者虐待防止では担当者も配置しなければならない。

 

通所系サービス、施設系サービスなどには無資格者に対する認知症介護基礎研修の受講が義務付けられた。また、施設系サービスでは、従来の口腔こうくう衛生管理体制加算、栄養マネジメント加算が廃止され、基本サービスとして入所者の状態に応じて計画的に口腔衛生管理、栄養管理を行わなければならない。

2割がBCP未策定

厚労省が21年度介護報酬の改定事項に関して調べたところ、今年7月時点で感染症、災害発生時のBCP未策定事業所がそれぞれ2割あった。小規模事業所ほど未策定割合が高く、サービス別では訪問介護、訪問リハビリテーション、福祉用具貸与・販売が多かった。未策定事業所からは「策定するための時間の確保」が課題のトップに挙げられた。

 

また、認知症介護基礎研修受講について、研修はeラーニングで講義(約150分)と確認テストが行われている。今年8月時点の状況は業務時間内にすべて受講しているのは5割で、すべて業務時間外が4割だった。受講場所は職場のみが6割、自宅のみが3割。研修費用を全額補助しているのは7割だった。