総合事業は地域力総動員 厚労省検討会が中間整理案

2023年1007 福祉新聞編集部

厚生労働省は9月29日、介護保険の「介護予防・日常生活支援総合事業の充実に向けた検討会」を開き、中間整理の骨子案を示した。医療・介護専門職も関わり、地域住民やNPOなど多様な主体を含めた地域の力を総動員し、高齢者が社会活動や必要な支援を選びながら暮らせる社会を目指す方針を打ち出した。

 

全市町村が実施している総合事業は2017年4月の開始から6年以上経過したが、多様な主体の参入が十分ではないことなどから、昨年12月の社会保障審議会介護保険部会の意見書で充実に向けて検討を行うよう指摘されていた。

 

骨子案では具体策として、現行のガイドラインで示すサービスA、Bなどは事業の実施主体による分類だが、新たにサービスのコンセプトによる分類(例えば高齢者が担い手となって活動できるサービス)も検討するとした。一般介護予防事業(通いの場)、保険外サービスなどを組み合わせたモデルも例示する。また、要支援者が要介護者になっても継続して利用できるサービスにサービスAを追加するなどし、高齢者が自立して暮らすための選択の幅を広げ、それを分かりやすく示す。

 

一方、サービスAなどの運営、報酬モデルも提示する。現行でも厚労省は従前相当サービスの報酬の目安を示しているが、大半の自治体は目安より報酬が2~3割低いため、事業者の参加が進んでいない。

 

介護予防ケアマネジメントについても、厚労省が多様なサービスを組み合わせて支援するケアモデルを提示する。また、孤立する高齢者を生活支援につなげた場合などの加算のモデルを例示し、市町村に加算を推奨する。市町村の取り組みに対する評価指標も見直す。

 

今後、中間整理まとめに向けた詰めの議論を行いつつ、それに沿って第9期介護保険事業計画も含めた工程表を作成する。