民児委員の居住要件緩和に賛否 厚労省、担い手確保策検討

2024年0814 福祉新聞編集部

厚生労働省の「民生委員・児童委員の選任要件に関する検討会」が7月30日に開かれた。前回に引き続き、担い手不足の民生委員・児童委員(民児委員)を確保するため、居住要件を緩和することについて議論したが、委員11人(座長除く)の意見は肯定派と反対派で分かれ、平行線をたどった。

肯定派は居住している民児委員と遜色ない活動ができることを前提に、限定的に緩和しても良いとする。例えば民児委員の任期途中で転居した人、地域包括支援センターなど地域に根付いた業種で勤務している人などを挙げる。また、各市町村が地域の実情に応じて判断する仕組みとすべきとの意見もあった。

一方、民児委員の団体は反対した。地域で一緒に暮らしているからこそ信頼、相談されていること、夜間、土日、災害時に十分な対応ができないことなどを理由に挙げる。長田一郎委員(全国民生委員児童委員連合会副会長)は「民児委員の多様な役割と多岐にわたる活動を正しく理解してほしい」と話した。

委員からは担い手確保に向け、民児委員の負担軽減、年齢制限撤廃のほか、民児委員をサポートする協力員配置、地域の商工会議所などに対する理解促進などの意見もあった。

厚労省は次回の検討会で一定の方向性を示し、秋ごろ意見をまとめる予定。