共生社会の実現へ 社会福祉法改正で検討会(厚労省)

2024年0707 福祉新聞編集部

厚生労働省は6月27日、社会福祉法の改正に向けて地域共生社会の在り方検討会議を立ち上げた。住民や多様な主体がつながることで課題解決につなげる、地域共生社会のさらなる展開を目指す。同時に、身寄りのない高齢者が抱える課題への対応などについても検討する。

座長には宮本太郎中央大教授が就任。開会にあたり、朝川知昭厚労省社会・援護局長は、今後取り組むべき社会課題として、単身高齢者の増加や、孤独・孤立などをあげた上で「地域共生社会の実現に向けた多岐にわたる論点について検討をお願いしたい」と述べた。

会合で厚労省は、検討会が具体的に議論する論点として、地域共生社会の実現に向けた施策の展開を挙げた。自治体が属性を問わずにワンストップで相談を受け付けて支援する「重層的支援体制整備事業」の効果検証や、財源について議論。また、分野横断で支援する体制を進めるため、福祉分野以外の施策との連携も模索することにした。

一方、今後急増する身寄りのない単身高齢者をどう地域で支えるかも考える。身元保証や日常生活支援など生活上の課題にも対応できるようにする。

さらに、成年後見制度の見直しに向けた司法と福祉との連携や、地域共生社会の担い手としての期待が大きい社会福祉法人の役割や経営の協働化についても議題に挙げた。

会合は今後、月1回ペースで開催し、有識者や自治体からヒアリングを実施。来年3月までに中間整理を行う。

座長に就任した宮本教授は「地域で起きている大きな変化を考えながら、課題を解決するためのビジョンが地域共生社会。この輪郭を確認していきたい」と語った。