冒険家・三浦雄一郎さんが施設で講演 住民らトレーニングも学ぶ

2023年1208 福祉新聞編集部
三浦雄一郎さん(右)と豪太さん

病院や介護施設などを運営する豊泉家グループの社会福祉法人福祥福祉会(大阪府豊中市、阿久根賢一理事長)は11月3日、特別養護老人ホームやケアハウスなどが入った福祉施設「CCRC豊泉家芦屋山手」(兵庫県芦屋市)で冒険家、三浦雄一郎さん、豪太さん親子による講演会を開いた。地域住民ら約90人は、ケアハウス内のトレーニングルームを見学し、豊泉家グループと雄一郎さんらが共同開発した「エイジレストレーニング」を学んだ。

 

「諦めない心、ゆだねる勇気~老いに親しむレシピ」をテーマにした講演会は、80歳でエベレスト最高齢登頂ギネス記録を達成した雄一郎さん(91)が病に倒れてからの体験をもとに行われた。

 

雄一郎さんは3年前、頸椎硬膜外血腫で車いす生活を余儀なくされた。次男の豪太さんの助けも借りながらリハビリをして、今ではつえをついて歩けるまでになった。

 

講演会で雄一郎さんは「今も手足にまひが残っており、感謝しながら誰かの力を借りて生活している」としながらも、「大病からの復活を楽しみにしている」と述べた。その上で「リハビリを続け、今冬にはスキーをしたい。そして将来的にはフランスのモンブランでスキーをしたい」と意気込みを語った。

 

80代の女性は「何事も目標を持つことが大事。元気をもらいました」と笑顔で話した。

 

豪太さんは、障害者らと共にハイキングやスキー、カヌーを楽しむ「豊泉家チャレンジド野外プログラム」について説明。豊泉家グループとともに行った大阪・箕面大滝や神戸・六甲山、淡路島での活動を振り返った。

 

講演会の後、参加者は同施設で認知症リスク予防プログラムや、呼吸法などを重視した「エイジレストレーニング」にも触れた。

 

このトレーニングは2012年から、豊泉家グループが雄一郎さんらと共に開発。「年齢に関係なく可能性を追求できる」のが特長で、ヘルスケアマネジャー(機能訓練指導員)が各自の体力や疾患に合わせてトレーニングを考案、指導し、運動習慣を身につけるサポートをする。

 

目的は、体力維持や日常生活動作、認知症、誤嚥予防などさまざまで、車いす生活から歩行器生活に戻った80代の女性もおり、参加者は関心をもって学んだ。