全社協が福祉ビジョン25を決定 法人の意識変革求める

2025年0701 福祉新聞編集部
全社協福祉ビジョン2025

全国社会福祉協議会・政策委員会(平田直之委員長)は6月24日までに、社会福祉法人や社協が取り組む方向性を示す「福祉ビジョン2025」を取りまとめた。感染症や少子化など急激に変化する社会情勢を踏まえて5年前のビジョンを再編し、改めて全国の福祉関係者に対して意識変革を求めている。具体的な実践では、新たに社会福祉法人が地域社会へ果たすミッションを積極的に発信することを位置付けた。

ビジョン20は福祉人材の育成や自治体とのパートナーシップなど八つの方向性を示していた。

ただ、この5年で新型コロナや、能登半島地震などの大規模な災害が発生。また国の予想を上回るスピードで少子化が進むなど「社会情勢は劇的に変わった」(全社協)。

こうした中でビジョン25は、社会福祉法人は地域の事情を踏まえて多機能化することで新しい役割を担える存在だと強調。具体的には八つの実践を打ち出した。

今回新しく位置付けたのが福祉のミッションの発信だ。社協や社会福祉法人が地域での存在意義を積極的に発信するよう提起。実践を通じて新たな課題を把握し、時代が変わっても地域に必要な福祉サービス制度の改善に向けて行動すると宣言している。

また福祉サービスの基盤維持については、人材確保が厳しい中でも質の高い福祉サービスを提供するため、提供方法の見直しによる業務改善を求めた。ICT(情報通信技術)の活用による効率化で職員の負担も減らし、職場環境を改善する。

災害への対応では、災害救助法などの改正を踏まえ平時から専門人材の育成や、関係機関とのネットワークづくりに取り組むと強調。都道府県ごとに災害福祉支援センターを設置し、公的財源による安定運営の必要性を明記した。

このほか、重層的な連携による実践を進めるため、地域の企業や商工会議所などの地域の多様な関係者との連携なども盛り込まれている。