障害者も働く「おもちゃ美術館」 社会福祉法人檸檬会が運営(奈良)
2025年05月07日 福祉新聞編集部
多世代が一緒に遊び、交流できる「木育」がテーマの体験型施設「奈良おもちゃ美術館」が奈良県三郷町に今春開館した。同町から指定管理を受け、関西を中心に保育や障害福祉、児童発達支援など103事業を展開する社会福祉法人檸檬会(和歌山県紀の川市、前田効多郎理事長)が運営。全国で13館目のおもちゃ美術館となるが、社会福祉法人が運営に携わるのは初。
同町が奈良学園大の旧三郷キャンパス跡地にある旧大学図書館の建物を活用して設置し、3月20日オープンした。2階建てで2階はおもちゃ美術館、1階は絵本を中心としたライブラリーカフェ「MOKUMOKUCafe」などが入る。
美術館では国内外の約300種類・約5000点の木のおもちゃを用意。奈良の町並みや文化を表現した「おもちゃの平城京」や大和野菜のおもちゃ、木のたまご約2万個を使って大和川をイメージしたボールプールなど、木のおもちゃで遊びながら奈良の文化や歴史を体感できる。
館内では法人職員や「おもちゃ学芸員」と呼ばれるボランティアスタッフが対応。法人のこれまでの就労移行、就労継続支援の知見やノウハウを生かし、障害のある人が働いていることも特徴だ。
4月末時点、美術館近隣で法人が運営する就労継続支援A、B型事業所「レイモンドマネジメント」の利用者ら約10人が、館内での接客やおもちゃの片付け・手入れ、カフェのスタッフとして活躍している。館長の前田英隆さんは「館内にとどまらず、木のおもちゃと保育施設で遊んでもらうなど活動を外にも広げていきたい」と意気込んでいる。営業時間や料金など詳細は公式サイトへ。