施設転用の規制を緩和 40年に向けた検討会〈厚労省〉

2025年0708 福祉新聞編集部

厚生労働省は6月23日、「2040年に向けたサービス提供体制等のあり方」検討会(座長=野口晴子早稲田大教授)を開き、これまでの議論を踏まえた検討の方向性を示した。今後人口が減少する地域を念頭に、福祉施設の転用に関する規制を緩和することなどを盛り込んだ。

現行制度では、社会福祉法人が国庫補助を受けて福祉施設を建てた際、10年未満で転用する場合は、原則、補助金を国庫に返納しなければならない。

しかし厚労省は、今後も中山間地域での福祉サービスを維持するため、既存施設を有効活用することが必要だと判断。不動産所有の要件や転用、貸し付けなどに関する補助金の規制について、一定の条件で緩和する仕組みを検討することが必要との見解を示した。

また、特別養護老人ホームの一部で障害福祉サービスや保育などを行っても返還を求められないようにする。

現行制度では、社会福祉法人が社会福祉事業を行う場合、原則として土地や建物の所有権を持つ必要がある。これについては、社会福祉連携推進法人制度など新たなサービス主体が貸与でも参入できるようにする。

厚労省は、社会福祉法人がやむを得ず解散する場合に、施設などを自治体に帰属させる方向性も示した。自治体の関係者が地域で必要なサービスに活用できるようにする。