引きこもり支援に指針 伴走し自律促進を(厚労省)

2025年0227 福祉新聞編集部

厚生労働省は1月31日、引きこもり状態の人やその家族に関わる支援者向けのハンドブック「寄り添うための羅針盤」を自治体に通知した。支援の対象者を定義し、目指すべき支援の姿を「本人および家族自身の意思で生き方や社会との関わり方を決めることができる『自律』」と明記した。伴走型支援向上のための指針として活用するよう呼び掛けた。

厚労省が引きこもり支援の指針を作るのは初めて。これまでは2010年に精神科医を中心とした有識者グループがまとめた指針が使われてきた。支援対象は引きこもりの期間に着目したものだったが、今回の定義は「社会的に孤立し、孤独を感じている人や、さまざまな生活上の困難を抱え、家族を含む他者との交流が限定的で支援を必要とする人とその家族」とした。

引きこもりの期間は問わず、家族を対象に含めた点が新しい。支援目標とされることが多かった就労や社会参加については「プロセスであり、それのみが支援のゴールではない」と明示した。

ハンドブックは全141ページで、「8050問題」など30の事例も収録。それぞれ支援のポイントをまとめた。厚労省の調査研究事業として有限責任監査法人トーマツが作成を受託し、長谷川俊雄白梅学園大名誉教授を座長とする検討委員会が議論を重ねていた。

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