こども家庭庁予算案7.3兆円 「未来戦略」を本格実施
2025年01月11日 福祉新聞編集部「こども未来戦略」に基づくこども・子育て政策強化の本格実施に向け、こども家庭庁は一般会計に4兆2367億円、子ども・子育て支援特別会計に3兆903億円を計上し、全体で7兆3270億円となった。厚生労働省が予算計上していた育児休業等給付関係の移管に伴う増加分を除いた実質ベースで前年度比1兆1063億円増えた。
保育の質向上には計1933億円を盛った。こども6人に対して保育士1人から、5人に対して1人へと改善を進める方針を示していた1歳児の保育士配置については基準を見直さず、加算措置を設ける。ICT(情報通信技術)導入、職員の平均経験年数が10年以上など職場環境の改善を進めている保育所が、保育士配置を5対1に改善した場合、人件費相当分を加算することを想定する。
保護者の就労を問わず、保育施設を一定時間利用できる「こども誰でも通園制度」は2025年度に制度化。月10時間を上限に補助し、こども1人1時間当たりの補助単価は0歳児1300円、1歳児1100円、2歳児900円と年齢ごとに設定。今年度実施している試行事業の補助単価は全年齢一律で850円となっており、保育現場からは補助額の充実を求める声が上がっていた。
児童虐待防止や社会的養護には計4033億円を計上。こども家庭庁は26年度までの2年間で、児童相談所で対応にあたる児童福祉司を910人程度増員する目標を掲げ、心理職によるメンタルケアやデジタル技術の導入支援に着手するなど職員定着や業務効率化を進める。また、児童養護施設や乳児院、母子生活支援施設の人材確保、定着に向けた取り組みを強化する。
このほか、仕事と子育ての両立支援にも力を入れ、育児のために時短勤務を選択した場合の新たな給付制度などを創設。児童手当には2兆1666億円を計上し、所得制限撤廃などの抜本的な拡充を図る。