「こころの健康」意識高まる 20年で3倍に〈厚生労働白書〉

2024年0903 福祉新聞編集部

厚生労働省は8月27日の閣議に「2024年版厚生労働白書」を報告した。特集のテーマは同白書では初の「こころの健康」を取り上げた。

総合的な健康状態にとって最もリスクになることについて、「精神病を引き起こすようなストレス」を挙げる人が20年前に比べて3倍に増えたとする調査結果を収めた。

厚労省は身体の健康と比べて「こころの健康」に対するリスクを重視する人が増えたと判断。進学、就業、結婚といったライフイベントごとのリスクのほか、急速なデジタル化への戸惑い、人とのつながりの希薄化といった「現代社会に特徴的な側面」が背景にあるとみている。

その上で、こころの不調を抱える人を含め、生きがいや役割を持って地域に参加する社会を目指すとした。

同日発表した「少子高齢社会等調査検討事業」(今年1月に実施)の報告書によると、「精神病を引き起こすようなストレス」を健康上の最も大きなリスクだとした人は15・6%。04年の類似調査の回答は5%で、この20年間で3倍に増えたことになる。