管理職の8割が女性 意欲経験生かす職場づくり(おおさわの福祉会・富山市)

2024年0828 福祉新聞編集部

地域密着型特別養護老人ホーム「ささづ苑かすが」などを運営する社会福祉法人おおさわの福祉会(富山市、岩井広行理事長)はICT(情報通信技術)や介護ロボットを活用した業務効率化のほか、女性職員が長く働き活躍できる職場づくりに力を注いでいる。意欲や経験を生かしたスキルアップを促すことで法人内の管理職の8割は女性が占めるなど、組織の活性化が図られている。

現在、法人の職員数は250人。うち8割が女性だが、8年前、古柴政美常務理事が介護部長に就いた時、女性管理職は1人しかいなかった。「優秀な女性職員はいるのに。法人の発展の足かせになっていないか」と古柴さんは思った。

そこで意欲のある女性パート職員9人を正職員に採用。また、女性職員が安心して産休、育休を取得し、復職できるよう相談窓口を設置した。育児のための時短勤務なども推奨し、全職員に「育児が終わる時を見越してみんなで応援していこう」と理解を求めた。

女性職員を管理職に推薦すると大半は本人が遠慮するが、古柴さんは「私がいるから大丈夫。一緒にやろう」と背中を押す。以前は法人に女性職員を管理職にする風土やスキルアップを支える環境が整っていなかったが、「性別関係なく、熱意、ケアの考え方、経験があれば任せられる」と古柴さんは言う。

現在、女性職員の育休取得率は100%。しかし、男性職員はゼロのため、取得を促している。また、人事評価制度を見直しており、各職員が目標を立てて取り組み、その達成状況をみてフィードバックする仕組みを取り入れる。最終的には職員一人ひとりがウェルビーイングを達成できる職場を目指している。