障害者就労継続B型事業所PUERTOが開所式 「みのり舎」から継承(東京)

2024年0418 福祉新聞編集部
開所式であいさつする徳道理事長

社会福祉法人東京ムツミ会(徳堂泰作理事長)が運営する就労継続支援B型事業所PUERTOの開所式が1日に新宿区内で開かれた。もともと社会福祉法人特別区社会福祉事業団が同じ場所で運営していた「みのり舎」を継承。新たな旅立ちにあたり、利用者からは笑顔がこぼれた。

 

「PUERTOはスペイン語で港という意味。ここでいろんな人とつながっていけたら」――。開所式で徳堂理事長はこう呼び掛けた。

 

利用者を代表してヒロミ・レトリィバーさんが「新たな気持ちで頑張る。アート活動もアート回し(後回し)にならないようにしたい」としゃれを交えてあいさつすると、会場が沸いた。

 

みのり舎は同事業団が12年前に開所した就労継続支援B型事業所。清掃活動などをメインに行っており、近年はアート事業にも力を入れてきた。

 

しかし、更生施設などを主に運営する同事業団は現在、経営改革を進めており、みのり舎の閉所を決定。そこで、東京ムツミ会が一部職員とともに引き受けることを決めた。

 

「事業所の近くに住んでいる利用者も多く、環境を変えたくないという声を聞いた。我々としても事業拡大につながるというメリットがある」と徳堂理事長は理由を話す。

 

昨年、利用者一人ひとりと面談した結果、18人いた利用者のうち、一般就労に移行した利用者2人を除く16人がPUERTOの利用者となった。

 

一方、職員は非常勤も含めて3人がPUERTOに転職した。

 

同事業団から東京ムツミ会に移り、今後サービス管理責任者を務める濱津敬さんは「誰でも寄港できる地域のプラットフォームを目指したい」と意気込む。新たに世界の障害者や困窮者が作る製品を輸入して、ネットで販売するプロジェクトを立ち上げる予定だという。