国内第1号の社会福祉連携推進法人リガーレが実践報告

2024年0417 福祉新聞編集部
合同の研修会は年に70回ほど行うという

社会福祉連携推進法人リガーレ(山田尋志理事長)は3月26日、キャンパスプラザ京都(京都市)で実践報告大会を開いた。現場で働く職員らが口腔ケアの事例などを発表した。

 

リガーレ(ラテン語で「結ぶ」の意)は2022年5月に、国内初の連携推進法人として誕生した。リガーレ暮らしの架け橋(京都市)や、宏仁会(青森県)など五つの社会福祉法人で構成しており、全職員は900人以上に上る。

 

開会にあたり、リガーレ理事の長根祐子・宏仁会理事長は「制度は現場がつくり、皆の活動が明日を築く。それほど価値ある仕事だということに誇りを持ってほしい」と語った。

 

大会では、各法人の代表が実践を報告した。宏仁会の特別養護老人ホームで働く磯沼真さんは、意思疎通ができない80代男性に対する経口摂取に向けた支援を紹介した。

 

最初は端座位訓練などを実施。半年後に歯科医師にアセスメントを依頼すると、嚥下機能があることが分かった。そこで看護職や介護職によるトレーニングをすると、1年で口の開け閉めができるようになったという。磯沼さんは多職種連携の成果を強調し「ケアの効果や価値を認識できた」と話した。

 

また、リガーレ暮らしの架け橋の小規模多機能型事業所で働く奥田ひかりさんは、支援計画を作る際に「餃子が食べたい」と話した90代女性を紹介した。

 

嚥下機能が低下していたため、容易にかめるおかずから徐々に刻み食に移行。最終的には、ひだの部分をカットするなどして餃子を提供した。奥田さんは利用者が笑顔になった様子を語り「状態に合わせ、支援内容も変化が必要」と述べた。

 

今回の報告大会は、リガーレの人材育成部会による研修の一環。

 

山田理事長は「質の向上に向け、各施設のノウハウを共有できれば」と話す。リガーレでは勤務年数や職種ごとに年70回の研修を合同で行っている。