〈社会福祉ヒーローズ〉SNSで保育の魅力を発信

2024年0403 福祉新聞編集部
地域の親子と交流する竹谷さん(後方中央)

社会福祉法人聖愛学舎

もみの木保育園・東京都

広報委員長/保育士アンバサダー 竹谷真衣(35)

 

幼稚園の時に大好きな先生がいたことがきっかけで、こどもに携わる仕事を志した竹谷さん。しかし、保育実習の際に園児が大けがをしたことがあり、自分にはこどもの命を預かる仕事は向いていないと諦めかけた。

 

学生時代はダンス部に所属し、先生のアドバイスもあり、タレント活動を始めたが、本当にやりたいことなのか気持ちの整理ができないでいた。

 

そんな時、東日本大震災が発生。ボランティアで被災地のこどもと関わっていると、ブラウン管を通してよりも目の前にいる人を笑顔にすることの方が楽しいと感じ、保育の世界に戻った。

 

保育士としての毎日は1日として同じ日はなく、特別な仕事に出合えた感覚だった。少しずつキャリアを重ね、自分も母となり、こどもにも保護者にも寄り添える保育士を目指した。

 

夫の転勤を法人理事長に相談すると、テレワークでもできる広報の仕事を作ってくれた。日々の保育活動をインスタグラムで発信する中で、改めて保育士一人ひとりが乳幼児に関わるプロフェッショナルであることに気付いた。こどもの好奇心を見逃さずに寄り添い、ときには考えてもらうために見守る。保育のプロがきらりと光る瞬間だ。

 

「こどもと遊んでいるだけでいいよね」とよく言われるが、保育士は誰でもできる仕事ではない。ひらがな表記のかわいい「せんせい」から、専門性を持った漢字の「先生」にイメージを変えたい。

 

そのために必要なのは、専門性に加えて職員一人ひとりの個性や長所を生かし、より良い保育につなげること。竹谷さんはダンスや歌の経験を生かし、オリジナルソングの振り付けやレコーディングを行い、みんなで協力して制作したミュージックビデオをSNSに投稿。保育の素晴らしさや楽しさを届けている。また、乳幼児向けダンスの創作にも励んでいる。

 

乳幼児期はこどもが心の安定感を育む大切な時期で、プロとして関われることを幸せに思う。こどもは未来の世界を支える大切な存在。ありのままを受け止めながら一人ひとりに寄り添う保育をこれからも実践していく。