社会から信頼される存在に 福祉法人経営学会が大会
2023年12月05日 福祉新聞編集部社会福祉法人、福祉関連企業、研究者などが参加する「福祉法人経営学会」(京極髙宣会長)は11月24日、第9回大会を東京都港区のくるまプラザで開いた。学術講演した潮谷義子・社会福祉法人恩賜財団済生会会長は「社会福祉法人が社会から評価され、信頼される存在になっているかが問われている」と繰り返し強調した。
済生会は1911年に創設され、施設403カ所、職員6万4000人の日本最大の社会福祉法人。その運営にあたり潮谷会長は「歴史の長さが質の良さを現わしたりしない」との姿勢で、時代のニーズに対応しているか、職員教育をしているか、人権の学びを得ているかなどを法人内で共有しているとした。
その上で「福祉は慈善や寄付で賄われる時代ではない。どんな運営をしていくかという視点は絶対に外せない」とし、「いい運営をするには稼がないといけない。稼ぐには地域、行政、経済界などから評価されないといけない」と述べた。
さらに「利用者や家族から日々感謝されていると自己満足してしまい、地域のニーズを考える時に一歩が進まない。飽くなき追求をするエネルギーを持って社会課題に立ち向かわないといけない」と話した。
基調講演は厚生労働省社会・援護局長の朝川知昭氏が登壇。団塊ジュニア以降は未婚者が多く、数十年後は高齢者の多くが単身になるとし、「家族が担いきれないことをどう行政、地域で支えるかが課題になる。そういう所にも社会福祉法人は目を向けてほしい」と期待した。