27施設が地域に窓口開設 身近な困りごとを相談(名古屋市)

2023年1110 福祉新聞編集部
地域住民に相談を呼び掛けている=名古屋市社協提供

名古屋市内70の社会福祉法人が連携して取り組む地域貢献「なごや・よりどころサポート事業」の新たな取り組みとして、地域住民の福祉、生活に関する困り事を福祉施設が受け止める「地域のよりどころ相談窓口事業」が今秋始まった。

 

相談窓口は常設を原則とし、最低でも月2回3時間以上の開設が要件。施設職員が業務と兼務する形で対応し、必要に応じて関係機関につなぐ。相談件数に応じて、よりどころサポート事業の事務局(市社会福祉協議会)から最大で半年に2万8000円が補助される。

 

この取り組みに賛同した27施設で10月からスタート。電話に加え、来所相談にも応じ、多くの施設が平日の夕方まで対応する。各施設でのぼり旗を掲げるなどして利用を呼び掛けている。

 

施設の種別は児童養護施設やデイサービス、特別養護老人ホーム、障害福祉サービス事業所などさまざまだ。

 

昭和区の児童養護施設「駒方寮」(社会福祉法人昭徳会)は窓口の周知も兼ねて10月22日に地域のこどもたちも招き、「ハロウィンウオークラリー」を開催。濵田光男施設長は「子育て相談のニーズは高い。より相談してもらいやすいように、来年度中にも子育てに関する講座を独自で開きたい」と話した。

 

すでに相談が寄せられた障害者支援施設「戸田川グリーンヴィレッジ」(社会福祉法人名古屋ライトハウス)の仁藤千春施設長は「相談対応の経験豊富な職員も多い。関係機関を紹介するなど適切に対応していく。地域から一層信頼される施設を目指す」と述べた。

 

市社協の担当者によると、窓口事業は現在、試行実施の段階。市内16区のうち、2区に窓口がないなど課題もある。「複数の施設から問い合わせがあり、関心は高い。窓口を増やしながら本格実施につなげたい」と話した。