外国人材の新制度案 就労1年で転籍可能に〈政府有識者会議〉

2023年1022 福祉新聞編集部

外国人の技能実習制度を廃止し、人手不足分野の人材育成、確保を目的とする新制度の概要案が、10月18日に開かれた政府の有識者会議で示された。基本的に3年以内の就労を通じて特定技能1号の水準の育成を目指す。同じ施設での就労が1年を超え、日本語能力試験N5などに合格すれば同一分野に限り転籍を認める。

 

技能実習制度は国際貢献が目的だが、実態は労働力確保のために運用され、原則、転籍ができず人権侵害も起きていることから、新制度はこれらの問題の解決を図る。年内に有識者会議の提言がまとまり、政府は来年の通常国会に関連法案の提出を目指す。十分な移行期間をとった上で新制度が始まる。

 

新制度から特定技能への移行は、技能検定3級または特定技能1号評価試験と、日本語能力試験N4(当面の間同程度の講習受講も可)などに合格すればできる。

 

転籍によって転籍前の施設だけが初期費用を負担する不平等が起きないよう、転籍前後の施設で分担するなどの措置を講じる。地方から都市への人材流出も懸念されるが、本来就労場所は自由であり、同一分野に限ることで安易な転籍を防ぐ。

 

技能実習生が来日前に母国の送り出し機関に多額の手数料を背負わされるケースもあるため、受け入れ施設が一定の負担をする仕組みも検討する。

 

受け入れは特定技能の12分野を基本とし、悪質な監理団体を排除するため許可要件を厳格化する。