自立支援の関東連絡会 社会的養護12団体で発足「団体間のつながり必要」

2023年1018 福祉新聞編集部
安井代表

関東で社会的養護経験者などの自立を支援する拠点を担う団体が9月20日、連絡会を立ち上げた。社会福祉法人やNPO法人、児童相談所など12団体が参画し、代表には神奈川県のあすなろサポートステーションなどに関わる安井飛鳥弁護士が就任。将来的にはアフターケアの標準化も目指すという。

 

こども家庭庁が行う社会的養護自立支援拠点事業は、児童養護施設出身者などが対象。具体的には、交流できる場の提供や、生活や就職の相談などを行う。場合によっては、一時的な滞在場所も提供する。

 

支援コーディネーターと生活相談支援員、就労相談支援員を必置としており、補助単価は1カ所あたり基本分が2380万円。加えて、支援回数や賃借料などさまざまな加算をすべて取ると最大で4800万円ほどの事業規模となる。

 

今回立ち上がった「社会的養護自立支援拠点事業等関東地域連絡会」は、栃木を除いた関東で同事業を実施する団体がほぼ参加した。今後、情報交換や人材育成などを行う予定で、将来的にはアフターケアの標準化も目指すという。

 

当日の会合では各団体がそれぞれ支援内容や課題について発表。「相談支援をプッシュしたいが自治体との温度差があり困っている」「支援が必要なのに受けられなかった人も含め、気軽に若者が集まれる場所を作りたい」などの意見が出た。

 

安井代表は「関東では若者が進学などで移動することが多い一方で、事業所が乱立している。団体間でつながることこそ必要」と指摘。「各事業所がフラットな関係で、ボトムアップできるような運営をしたい」と話している。