虐待根絶でウェブサイト開設 専門家による講義も〈全社協施設連絡会〉

2023年1113 福祉新聞編集部

全国社会福祉協議会の社会福祉施設協議会連絡会(磯彰格委員長)は9月15日、福祉施設による虐待や権利侵害を根絶する取り組みを集めたウェブサイトをオープンした。現場の実践を共有してもらうとともに、社会に対して現場の努力をアピールする狙いもあるという。

 

「虐待・権利侵害根絶取組事例紹介サイト」は、施設で虐待防止に向けた体制づくりにどう取り組むか、参考になる動画を掲載している。専門家による講義もある。

 

例えば、社会福祉法人天竜厚生会の松下温子さんと富永直樹さんが講師を務めた動画では、法人内で行う研修体系を紹介した。

 


≪虐待・権利侵害根絶取り組み事例紹介サイト≫

 

具体的には、言葉で身体的・精神的な行動を抑制する「スピーチロック」について対策も含めて解説。「日ごろの言葉を改善すれば、職場の雰囲気や人間関係も良くなる」と呼び掛けた。

 

このほかサイトでは、同連絡会の磯委員長による動画メッセージも掲載した。2022年末の虐待根絶に向けた行動宣言も載せており、第三者評価の受審など外部が介入する仕組みを積極的に導入する姿勢を示している。

 

サイトを開設した背景には、さまざまな福祉施設で虐待事件が起きるたびに、メディアが一方的に報道する現状があるという。全社協法人振興部は「メディア関係者に権利侵害の防止に向けた好事例も合わせて報じてもらうことで、全国の施設で虐待根絶への活動が広まれば」と話している。

 

同連絡会は全国社会福祉法人経営者協議会や全国保育協議会、障害関係団体連絡協議会など13団体で構成している。