社会福祉法人の公益性とは 「ふくし未来塾」1期生が修了

2022年1020 福祉新聞編集部
松寿社長(中央)から修了証を受け取った小原さん(右)と永山さん

 次世代の福祉経営者を育成する「ふくし未来塾」に参加した第1期生の修了式が10月5日、東京ビッグサイトで開かれた。修了者のうち優秀者2人が社会福祉法人の行うべき公益について発表した。

 

 修了者26人の中から優秀者に選ばれたのは、奥州いさわ会(岩手県、藤田春芳理事長)の小原守事務長(38)と、蘇生会(熊本県、永山惠一理事長)が運営する救護施設の永山博久荘長(52)。

 

 奥州いさわ会は2021年7月、奥州市内の3法人が合併して誕生。その際、管理職研修で地域課題を議論した。 

 

 これを踏まえ、若手職員を中心に理事長直轄のチームを編成。こども食堂や地域の自然を楽しむキャンプなどを始めたという。

 

 小原事務長は「広い視点で地域の人と一緒に活動すべきと未来塾で気付いた」と話した。

 

 蘇生会は創設以降、地域を巻き込み活動してきたが、移転計画が出た際に住民から反対意見も出たという。永山荘長は「活動は自己満足だったと気付かされた」と振り返った。

 

 ただ応援する住民もいたことから、地域の困窮者らへ食の支援を決意。社協とも連携し、社会資源を組み合わせる調整役の役割も担う。永山荘長は「今後もファーストペンギンの覚悟で地域に恩返ししたい」と話した。

 

 修了式で松寿庶・福祉保険サービス社長は、社会福祉法人は創始者の志こそ大切にすべきとし「仕事は百の議論より一つの実行だ。失敗も含めて行動しなければ法人が未来永劫えいごう続くことはない」と述べた。

 

 ふくし未来塾は昨年10月、福祉保険サービスの主催で、全国社会福祉協議会に運営を委託してスタート。選考を通過した34人が1年間学んだ。

 

 スーパーバイザーの山下興一郎・同塾教授は「制度内での効率的経営ではなく、地域の公益を考えられるかが評価の基準。修了生は言語化の苦しみを味わったと思う」などと話した。

 

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