「例外扱いはダメ」 精神科医療の身体拘束を考える会が声明

2024年1023 福祉新聞編集部
院内集会で基調報告する長谷川代表(左端)

「精神科医療の身体拘束を考える会」(代表=長谷川利夫杏林大教授)は9月26日、精神医療での身体拘束を認める際の要件を緩和しないよう求める声明をまとめた。

一般の医療では4月の診療報酬改定で入院患者への身体拘束の禁止をうたったのに対し、精神医療は「精神保健福祉法の規定による」と例外扱いされたことを問題視した。

精神医療について厚生労働省は、身体拘束を最小化する方針を2022年6月の審議会報告に明記。運用ルール(処遇基準告示)を見直すとした。

同会はその後、身体拘束の是非を判断する医師の裁量を広げる方向で検討されているとの危機感を抱く。

5月に始まった検討会でも精神医療における身体拘束の最小化が論点となり、基準告示の改正が進むものと判断。より慎重な議論を求めるため、同日、参議院議員会館で集会を開いて国会議員に経緯を説明した。

長谷川代表は「告示改正すれば身体拘束が減るかのような印象を与えるが、だまされてはいけない。介護保険でも身体拘束は原則禁止だ。精神医療だけ逆行しており、この流れを止めなければならない」と語った。