高周波体験できる部屋 脳活性化、ストレス軽減〈国立精神・神経医療研究センター〉
2025年11月17日 福祉新聞編集部
国立精神・神経医療研究センター(東京)とハイパーソニック研究所(同)などが、人間の耳には聞こえない高周波の音を体感できる部屋を設置した。脳を活性化させて心身に効果があるという研究もあり、福祉施設にも広げたいという。
部屋には壁や床に緑色の植物が並び、実際にマレーシア・ボルネオ島の自然保護林で録音した音が流れていた。訪れた人たちはいすにゆったりと腰掛け、リラックスした様子だ。
人間が耳で聞こえる周波数の上限は約20キロヘルツ。音として感じられない高周波は、葉っぱのこすれる音や虫の鳴き声などが混ざる熱帯雨林の中に多く、都市の人工的な環境にはほとんどないという。
国立精神・神経医療研究センターの本田学部長は「高周波を多く浴びると脳が活性化し、リラックスしたときに出るα波が増え、ストレスホルモンが低下することが分かっている。人類が歴史的に熱帯雨林の中で進化したことと関係があるのではないか」と話す。
こうした高周波のシステムは、東京都新宿区にある商業施設「ニュウマン」で採用されるなど注目度も高い。

