遠隔操作の就労支援ロボ 5年後の実用化目指す〈国立障害者リハビリテーションセンター〉
2025年11月15日 福祉新聞編集部
国立障害者リハビリテーションセンター(埼玉)が開発しているのは、重度肢体不自由者が遠隔操作できるロボットだ。福祉施設などでモノを運ぶ仕事をすることを想定しており、5年後の実用化を目指す。
就労支援ロボットは高さ約170センチ。2本の腕で買い物カゴを持ち上げることが可能で、調整により最大15キロの物を運ぶことができる。
駆動システムは電動車いすのウィルを活用しており、動くスピードは最大で時速6キロ程度。試験環境では1回の充電で半日動く。
重度の障害があっても操作しやすいよう、コントローラーはタッチパネル式で大きく、シンプルなデザインにした。複数のカメラで周りを見ながら、操作する。
センターはこうした就労支援ロボットを福祉施設などに導入することで、障害のある人への仕事を生み出せないか検討している。日用品などの運搬やゴミ捨てなどを想定し、介護職には専門性の高い業務に専念してもらう狙いもあるという。
製作費は外装を除き200万円ほど。現在は奥行きの認知や、衝突リスクの予測などに課題があるという。
開発に携わる周南公立大の河村拓実助教は「福祉施設での検証を繰り返しながら、実用化に向けて今後も研究を進めたい」と話している。

