医療SW指針改定へ 内容検討でPT発足〈厚労省〉
2025年11月09日 福祉新聞編集部
厚生労働省は10月29日、医療ソーシャルワーカー(MSW)の業務指針改訂に向けたプロジェクトチーム(PT)を立ち上げることを決めた。構成員は日本医療ソーシャルワーカー協会の早坂由美子会長ら4人で、会議は非公開とする。
同日、2040年を見据えた地域医療構想について検討する「在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループ」(座長=野口晴子早稲田大教授)を開き、PT設置の了承を得た。
PTの検討資料や議事録も非公開とする。その理由について「専門的かつMSWの人たちの権利利益に直結する事項を検討するため」(医政局地域医療計画課)としている。検討結果は同ワーキンググループ(WG)に報告する。
委員「研修が必要」
WGの委員からは「MSWの研修制度を設けることも検討してはどうか」(島田潔全国在宅療養支援医協会常任理事)という提案があった。MSWのモラルや業務の透明性に疑義のある事例が散見されるとし、質の担保が必要と訴えた。
また、鈴木邦彦日本在宅療養支援病院連絡協議会長は「最近はMSWで社会福祉士を持つ人が多く、非常に有能だ。社会福祉士との整合性を議論すると、現場で分かりやすくなるのではないか」と述べた。
MSWは保健医療機関で患者やその家族の抱える経済的、心理的、社会的問題の解決や、患者の社会復帰の促進を図るソーシャルワーカーを指す。
固有の国家資格はなく、現在は社会福祉士や精神保健福祉士を採用条件とする保健医療機関が多い。厚労省は全国に約3万人いるとみている。
業務指針はMSWの標準的な業務の内容や方法を明確にしようと、1989年に厚生省健康政策局(当時)が策定。2002年に改訂され、今回23年ぶりの改訂に臨む。

