医師偏在是正へ手当 改正医療法が成立
2025年12月17日 福祉新聞編集部
医師偏在の是正を柱とした医療法などの改正案が5日、一部修正の末、参議院本会議で可決、成立した。医師が十分にいない地域を都道府県が重点区域に選定し、その区域で働く医師の勤務手当を増やす。保険料を原資として支給する。
介護、障害福祉の処遇確保で検討規定
政府原案には衆院で与野党5党が修正を協議。医療機関の病床削減を支援する措置を盛り込んだほか、介護や障害福祉に従事する職員の適切な処遇確保を検討するよう政府に求める規定を追加した。
施行は一部を除き2027年4月1日。高齢化や疾病構造の変化、医療の担い手不足が40年にかけて進むと見込み、医療の提供体制を都道府県ごとに見直すよう促す。
オンライン診療を普及
都道府県が作る地域医療構想に「在宅医療や介護との連携」「精神科医療」を含める。これまで限定的だったオンライン診療については、法律に位置付けて普及を図る。
衆院、参院ともオンライン精神療法の初診の在り方を検討するよう付帯決議に盛り込んだ。この点は厚労省の検討会が議論しており、政府は年内にも初診を条件付きで認める方針を打ち出すことにしている。
精神は地域基盤強化
衆院の付帯決議は精神医療に関連し、退院後の障害者の地域生活基盤の整備を進めることや、現在は稼働している病床も計画的に適正化することを政府に求めた。
参院の付帯決議は、高齢者が入院しないで済むよう在宅医療を強化することを求めた。

