園児と高齢者が日常的に交流 法人全体が一つの家〈千葉県厚生事業団〉

2026年0210 福祉新聞編集部
得意げにこま回しを楽しんだ

 千葉県柏市にある社会福祉法人千葉県厚生事業団(渡部昭理事長)は昨年、創立75周年を迎えた。約1万7200平方メートルの敷地内で保育所、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム(名称はひかり隣保館)などを運営しており、園児と高齢者が交流する機会が多い。高齢者が散歩中の園児に手を振ったり、一緒に季節の行事を楽しんだり、園児は親しげに「おじいちゃん、おばあちゃん」と呼ぶ。佐野早苗園長は「法人全体が一つの家みたい」と話す。

 1月15日午前、ひかり隣保館保育園で毎年恒例の「伝承遊び」が行われ、0~6歳の園児114人と高齢者13人が集まった。

 園児が手遊び「いっぽんばし」「げんこつやまのたぬきさん」や、わらべ歌遊び「はないちもんめ」「かごめかごめ」を披露。元気いっぱいに歌って動く園児に対し、高齢者は拍手を送り、自然と顔もほころぶ。

 続いて園児がこま回し、拳玉、あやとりなどを披露すると、高齢者も童心に戻って参加。こまにうまくひもを巻けない高齢者を園児が助けたり、「がんばれ~」と応援したりして、盛り上がった。

 参加した高齢者は「こどもたちのあいさつも協調性もすごい。パワーをもらった。コミュニケーションは大事」と笑顔で話した。養護老人ホームの高齢者は親族と連絡を絶っている人も多いため、孫みたいな園児の成長を見守り、交流を楽しみにしている。園児のためにぶんぶんごまを作ってきた高齢者もおり、園児のことを気に掛けている。

 園児の中で祖父母と同居している家庭は少なく、保護者や保育士以外の大人と関わる機会になっている。この日のために練習してきた園児もおり、「高齢者に拍手をもらい、喜んでもらうことで、こどもの自己肯定感が育まれる」と佐野園長は言う。

 ほかにも、敷地内の畑でサツマイモを栽培しており、手入れは高齢者が行い、種まきや収穫は共同作業をしている。運動会や発表会は高齢者に見てもらう機会を設けている。また、職員にとっても、法人施設間の異動がほとんどないため、交流行事があることで協力し、互いの業務内容を知るきっかけになっている。

 高齢者との交流が多いことから同園を選んだ保護者も少なくないという。今後を見据え佐野園長は「園児が大人になって、この園でよかったと思ってもらえるようにしたい」と話す。こどもと高齢者の施設が同一敷地内にある利点を生かし、これからも地域に必要とされる複合施設を目指していく。

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