年150万足売れる靴 左右サイズ違いで販売〈徳武産業〉

2025年1103 福祉新聞編集部
さまざまな要望に応えるあゆみシューズ

最先端技術を活用した介護ロボットから移動、入浴、トイレなど支援用具を一堂に集めた第52回国際福祉機器展が10月8~10日、東京ビッグサイトで開かれた。展示された最新の製品の中から施設で役立つ福祉機器を紹介する。


徳武産業(香川県さぬき市)が展示したのは、一人ひとりに合わせた靴ブランド「あゆみシューズ」だ。中でも一枚物の生地で作られたダブルマジックシリーズは、施設の利用者から安心できる履き心地だと好評だという。

高齢者や障害者らを対象にした「あゆみシューズ」を立ち上げたのは30年前にさかのぼる。特別養護老人ホームの施設長から「高齢者が転びにくい靴を作ってほしい」という相談を受けたのが開発のきっかけだという。

立ち上げ前には500人以上の足や履き物を調査。その結果、むくみなどで足の右左で大きさが異なることや、サイズが合っていない靴を履いていることが転倒の原因だと分かった。そのため、発売当初から左右サイズ違いでも靴を購入できるようにした。

今では靴の幅やベルトの長さ、開閉方向、靴底の高さなども部分的に調整することが可能で「素材も含めると組み合わせは1億通り以上」(同社)。しかし製作にかかる日数は5日以内だという。

年間の販売数が約150万足に上り、うち4分の1が片方販売や左右の靴のサイズが異なるものだという。同社の德武聖子社長は「困難を抱えた人たちが安心した日常を送れるように、これからも寄り添いたい」と話す。

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