骨盤部改良の新ベッド 国内初、水平リサイクルも〈パラマウントベッド〉

2025年1102 福祉新聞編集部
足もとのボードはリサイクルされたものだ

最先端技術を活用した介護ロボットから移動、入浴、トイレなど支援用具を一堂に集めた第52回国際福祉機器展が10月8~10日、東京ビッグサイトで開かれた。展示された最新の製品の中から施設で役立つ福祉機器を紹介する。


パラマウントベッド(東京都江東区)は、在宅向け介護用ベッド「楽匠Fit(フィット)」を展示した。骨盤部分を改良し、従来よりも背上げがしやすくなったのが特長。樹脂製ボードは同社の使用済みベッドの樹脂を再利用しており、こうしたリサイクルの取り組みは国内で初めてだという。

楽匠Fitは2020年8月に同社が発売した「楽匠プラス」シリーズの後継機種になる。骨盤を起こす部分を改良したことで、でん部にフィットする形状になった。これまで以上に体を動かしやすい背上げ姿勢に移行することができ、床ずれリスクの軽減にもつながるという。

ベッドの角度などを操作するスイッチは従来のボタン方式に加え、液晶タッチパネルを追加した。表示は頭や足、高さなどを自由にカスタマイズできる。タップした際に手に伝わる振動にもこだわった。

このほか、利用する人の体型に合わせて、横と縦の長さを段階的に調整することが可能になった。これにより最大で91センチメートル×205センチメートルのマットレスにも対応できる。

同社は12年から環境省の認定を受け、自社製品のリサイクルに取り組んできた。累計で8万5000台以上のベッドを金属原料や建材などに再資源化してきた。

経営企画本部の小川竜馬さんは「使用済みベッドを処分する業務負担を軽減するというメリットもある。新たな製品へ循環を通じて、今後もメーカーとして作る責任を果たしていきたい」と話している。

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