介護士の負担軽減へ 移動機構付き車いす〈ジヤトコ〉
2025年11月01日 福祉新聞編集部
最先端技術を活用した介護ロボットから移動、入浴、トイレなど支援用具を一堂に集めた第52回国際福祉機器展が10月8~10日、東京ビッグサイトで開かれた。展示された最新の製品の中から施設で役立つ福祉機器を紹介する。
自動車変速機大手のジヤトコ(静岡県富士市)は介護用品市場に乗り出す。介護士の腰を守る移乗機構付き車いす「Lifmy(リフミィ)」を開発し、国際福祉機器展に初出展した。来年中に高齢者施設向けに販売する予定だ。価格は未定。
リフミィは高齢者の上体を持ち上げるリフト機構とバッテリーを備え、この1台で移乗と移動が可能だ。介護職員がリモコンでリフトを操作して、施設利用者の立ち上がりなどをサポート。座ったまま移動でき、利用者が握るハンドルにはセンサーが内蔵されており手が離れた場合はすぐ停止するなど安全面にも配慮した設計になっている。
同社によると、抱きかかえによる移乗や、車いすと移乗機器を併用しての作業に比べ、介護職員の身体的負担を大幅に軽減できるのがリフミィの強みだ。
自動運転、特養で導入も
免許返納後の高齢者の移動手段として、道路交通法上は歩行者として扱われ免許証なしで乗れる電動車いす市場が活発だ。自動車大手ダイハツ工業(大阪)も参入し、今夏に電動車いす「e―SNEAKER」を発売した。
電動車いす開発のWHILL(東京)は自動運転モデルのレンタルも行っており、空港や病院に導入されている。介護施設で採用する動きもあり、社会福祉法人白山福祉会(川崎市)が運営する特別養護老人ホーム2施設が計4台を導入し、居室から浴室への移動などで活用している。同社によると自動運転の車いすを特養で導入するのは国内初だという。

