清水旭山学園が3連覇 北広島との北海道対決制す〈社会福祉野球大会〉
2025年11月02日 福祉新聞編集部
第43回全国社会福祉軟式野球大会大阪堺大会(全国社会福祉軟式野球連盟主催、福利厚生センター、福祉新聞社後援)が10月22、23両日、16チームが参加して、大阪府堺市のみなと堺グリーン広場公式野球場などで開かれた。北海道の清水旭山学園が3連覇で通算6度目の優勝を果たし、コロナ禍などで6年ぶりの開催となった大会を盛り上げた。

トーナメント表
前日の雨が上がり、秋晴れとなった23日、準決勝と決勝が行われた。準決勝では清水旭山学園がみなと寮(大阪)を、北広島エルフィンズ(北海道)がIWARE(奈良)をそれぞれ五回コールド勝ちで下した。
決勝戦は、前回大会(2019年)に続いて清水旭山と北広島の北海道勢同士の対決に。北広島のナインは「相手は屈指の好投手。2点以上取られたら負ける」と気を引き締めて試合に挑んだ。
先攻は清水旭山。一回表2死から一挙に4点を先取した。口火を切ったのは3番・佐々木。ライトに2塁打、4番・小川がレフトに2塁打で続き、1点を先制。二つの四死球と7番・鈴木の大飛球が敵失を誘い、3点を加えた。
北広島は一回裏、1番・横山がセンター前にヒット、後続も2塁打を放って1点を返したが、清水旭山は二回、四回にも1点を上げて、6対1とリードを広げた。
北広島は五回裏、8番・吉田が本塁打で2点目を上げた。しかし、清水旭山は六回表に7番・鈴木の2塁打を起点に、打者一巡の猛攻で一挙に5点を加えて11点とした。
北広島は六回裏、3番・小笠原がレフトに本塁打を放ち、3点目を上げた。最終回の七回は互いに無得点。出場18回目の清水旭山が、出場2回目の北広島を11対3で退けて、コロナ禍を越えて3連覇を果たした。

スコア
<個人表彰>最優秀選手賞=鈴木琢朗(清水旭山学園)▽最優秀投手賞=堤颯(同)▽最優秀監督賞=森卓也(同)▽敢闘賞=長谷田裕士(北広島エルフィンズ)
〈視点〉「仲間を大切に」全国大会は値千金の球宴

IWAREとみなと寮のナインが交互に並んだ
6年ぶりの全国大会は、ホテルでの開会式、前夜祭から盛り上がった。「仲間」という言葉が、いろんな場面で聞かれた。
選手宣誓では「それぞれの事業所で、今まさに利用者支援に当たってくれている仲間への感謝の気持ちを忘れず、全力でプレーします」。閉会式のあいさつでは、「大会を通じて野球の楽しさや仲間との絆を感じていただけたのではないか」(みなと寮の高濱圭二施設長)。
実は昨年9月24日、連盟会長を20年以上務めて91歳で亡くなった黒田和幸さん(愛媛慈恵会)の口癖が「仲間を大切に」だった。
連盟事務局の徳本修二さん(愛媛慈恵会)は「今年の一周忌に、墓前で全国大会の再開を報告しました。全国に仲間がいることを実感できました」。
閉会後の記念撮影の時だった。
「一緒に撮りませんか」
準決勝で敗れて3位になった、IWARE(奈良)とみなと寮(大阪)のナインが、仲間の声をきっかけに一緒にカメラに収まった。それも交互に並んで。
種別を超え、地域を超えて仲間との絆を深める……全国大会は、値千金の球宴に違いない。

