市販薬の乱用防止へ 改正法成立し販売制限
2025年05月25日 福祉新聞編集部
一般用医薬品(市販薬)の販売制度を見直す医薬品医療機器法などの改正法が5月14日、参議院本会議で可決、成立した。
社会問題となっている市販薬の過剰摂取(オーバードーズ)に関する乱用対策では、若年者への購入制限を設ける。施行は公布から1年以内。
「乱用の恐れのある医薬品」に指定されているせき止めや風邪薬などについては、若年者への大容量や複数個の販売を禁じ、小容量製品1個に制限する。
若年者とは20歳未満を想定するが、民法の成年年齢(18歳)との整合性も考慮して今後省令で定める。大容量か否かの線引きも施行までに決める。
風邪薬などを適正量を超えて摂取する例は特に10~20代の女性にみられ、救急搬送の件数も増えるなど社会問題になっている。
その背景には、生きづらさ、孤独・孤立などの社会的不安があることがかねて指摘されており、参院厚生労働委員会の付帯決議には「市販薬の乱用対策を進めるにあたっては、販売規制のみならず、医療、福祉、教育などの分野において関係府省間で対策を進めること」を盛り込んだ。