災害福祉センター設置 人材育成や政策提言も〈全社協〉
2025年10月23日 福祉新聞編集部
全国社会福祉協議会は1日、総務部内に全国災害福祉支援センターを設置した。センター長には金井正人全社協常務理事が就任。都道府県の災害福祉支援センターの運営を後押しするとともに、災害時の福祉支援を担う人材養成に力を入れる。
今年5月に成立した災害救助法などの改正法は、国が費用を負担する救助の種類に「福祉サービスの提供」を位置付けた。従来の避難所を中心とした「場所の支援」から、在宅も含めた「人の支援」へ転換する。
6月にはガイドラインを改正し、災害派遣福祉チーム(DWAT)の派遣調整を発災から72時間以内とするなど、政府は大災害における福祉支援の充実を進めている。
そうした中、今回全社協が設置したセンターは厚生労働省から委託を受け、「災害福祉支援ネットワーク中央センター」の事務局を運営。都道府県で常設が進む災害福祉支援センターを支援する。
現在、災害福祉支援センターを設置するのは12県にとどまる。そのため未設置の都道府県には設置に向けた働き掛けも行う。
このほか大災害時に現地に入る専門職で構成するDWATに登録した福祉施設などの職員や、災害ボランティアセンターを担当する社協職員の運営研修なども実施する。
全社協の同センターに所属する職員は専従が3人。他部署に所属する15人の職員が兼務となっている。
同センターは「全社協としても前例のない規模での部局横断の組織になる。災害時の福祉支援の質向上に、政策提言なども行いたい」と話している。