福祉向上に尽くす個人、団体たたえる「毎日新聞社会福祉顕彰」贈呈
2025年11月19日 福祉新聞編集部
社会福祉の向上に尽くしている人たちの功績をたたえる「第55回毎日新聞社会福祉顕彰」(毎日新聞東京・大阪・西部社会事業団主催、厚生労働省、全国社会福祉協議会後援)の贈呈式が10月31日に東京で開かれ、1個人と2団体にそれぞれ顕彰盾と賞金100万円が贈られた。
受賞したNPO法人チャイルド・ファンド・ジャパン(髙橋潤理事長、東京都)は、フィリピン、ネパール、スリランカなどでこどもたちの教育、生活の向上に取り組んで50年になる。
母子保健、青少年育成、暴力からのこどもの保護などにも取り組み、これまで約3万6000人のこどもたちを支援した。髙橋理事長は「こどもたちの笑顔が活動の源。一人ひとりの成長を願って活動を続ける」と誓った。
サンタナ学園(滋賀県愛荘町)校長の中田ケンコさん(68)は、ブラジル生まれの日系人。日本で働くブラジル人労働者のこどもたちが学校に行けずにいる実状に驚いたことがサンタナ学園を開設したきっかけ。3人のこどもを預かる施設からスタート。現在は0歳から18歳まで40人が学び、応援してくれる日本人の輪も広がっている。中田さんは「立派な賞をいただき励まされ、辞められない。こどもたちのために頑張る」と喜んだ。
NPO法人やどかりプラス(芝田淳理事長)は鹿児島市を拠点に、保証人がいないために賃貸住宅を借りられない障害者や1人暮らしの老人らのために、連帯保証人を見つける活動に取り組む。2007年の設立以来、800件以上の連帯保証を行った。
また、孤独死ゼロアクションも実施。行政に対する政策提言や死後手続きの代行などにも関わっている。河原晶子副理事長は「制度と制度の隙間を埋めるネットワークをつくり、長く活動を続けることが課題」と抱負を語った。

