都道府県にプラットフォーム 新たな人材確保策〈厚労省〉
2025年11月17日 福祉新聞編集部
社会保障審議会福祉部会福祉人材確保専門委員会(委員長=松原由美早稲田大教授)が10日に開かれ、厚生労働省は議論の整理案を提示した。介護人材の確保に向けて、都道府県が主体となったプラットフォームを設置することを提案。地域の関係者が参加して、実情に応じた課題解決を目指す。一方で、介護福祉士の特例措置延長については結論を出さなかった。
整理案は、高齢化や人口減少の状況などに地域差があることから、実情に応じた人材確保策が必要だと指摘。都道府県が主体となって人材確保に関するプラットフォームの設置を提案した。立ち上げにあたっては地域医療介護総合確保基金を活用し、事務局機能は福祉人材センターが担うことを想定している。
プラットフォームの参加者は▽市町村▽ハローワーク▽介護労働安定センター▽介護事業者▽介護福祉士養成施設▽職能団体――など。地域の関係者が集まり情報共有と分析を行うことで、課題解決に取り組む。
同時に市町村または複数の市町村圏域で、人材確保や経営支援、介護のイメージ改善などに関するプロジェクトチームを設置することも必要だと訴えた。
ただ、整理案はプラットフォームについて、取り扱う内容や構成員、会議体の構造などについては、柔軟に設定できる仕組みにするとした。
委員会は委員長一任で終了。今後は社会保障審議会福祉部会などで議論する。
委員会は、高齢者の増加と生産年齢人口の減少が進む2040年に向けた人材確保策などを考えようと今年5月に設置。これまで5回開かれ、ヒアリングなども行った。
この間、介護福祉士養成施設の卒業生が国家試験に不合格でも資格を取得できる特例の経過措置延長についても議論。「延長は資格の信頼性を失いかねない」「養成施設が減ると、日本人も含めた介護教育の機会が喪失する」などと意見が分かれていた。
これについて整理案は、厚労省に委員会での意見を踏まえて必要な対応を求め、結論は出さなかった。

