訪問介護の定額報酬、27年度から 中山間地域の事業者支援
2025年11月19日 福祉新聞編集部
社会保障審議会介護保険部会(部会長=菊池馨実早稲田大理事)が10日に開かれ、厚生労働省は中山間地域の訪問介護事業者を対象にした新定額報酬の枠組みについて、2027年度の開始を目指す方針を明らかにした。
サービスの提供回数に応じた出来高報酬の訪問系サービスは、中山間地域などでの移動負担が大きく、高齢者人口の減少もあり、安定的な経営が難しい。そのため、厚労省は利用回数に左右されない月単位の定額報酬の枠組みを新たに設け、選択できる仕組みを検討している。
会合で厚労省は、定額報酬の具体的な設計について、利用者の要介護度や事業者の体制を踏まえ、多段階を設定する考えを示した。各種加算についても包括化し、簡素な仕組みにする。
また、ニーズに迅速に対応できるよう27~29年度の第10期計画期間中から開始する考えを示した。26年度までに介護給付費分科会で単価の在り方を検討するという。
全国老人福祉施設協議会の山田淳子副会長は「包括的な評価を選択可能とすることは有益な選択肢だ」と評価。一方で「利用者に過度な負担とならないよう、きめ細かな報酬体系を検討してほしい」と述べた。
日本介護福祉士会の及川ゆりこ会長も賛成する方針を示し「導入時のサービス提供状況に与える影響の十分な検証は欠かせない。関係者の意見を丁寧に聞いてほしい」と求めた。

