災害時に移動トイレ 今年度中に15自治体が導入〈トヨタ自動車〉
2025年11月10日 福祉新聞編集部
トヨタ自動車は、車いす利用者らが外出先で使えるトレーラー「モバイルトイレ」を出展した。けん引免許不要で移動することができ、災害時にも役に立つバリアフリートイレとして、自治体での採用関心も高いという。
サイズは4・5メートル×2・3メートル×1・9メートル。中は車いすでも360度回転できるほどの広さが確保されており、洋式トイレや、多目的に利用できるベッド、ゴミ箱などを完備している。
真空式の水洗トイレは上下水道に直結でき、何度でも使用可能だ。一方、直結できなくてもタンクに水をためることで100回分は使えるという。
傾斜角度が5度のスロープも設置可能で、車いす利用者が1人で使うこともできる。
日本トイレ研究所の調査によると、2011年の東日本大震災で、発生から3日以内に避難所に仮設トイレが行きわたった割合は34%にとどまった。
自治体の関心は高く、24年度に同社が販売を始めると問い合わせが相次いだ。すでに7自治体で導入され、25年度中に15自治体に広がるという。同社の濱崎守さんは「予期せぬ災害だけでなく、祭りやスポーツイベントなど平時から活躍の場は多い。自治体のイメージに合わせたカーラッピングもできる」と語った。

