介護、福祉職員の処遇改善、力強く推進〈上野賢一郎厚労大臣インタビュー〉
2025年11月08日 福祉新聞編集部
上野賢一郎厚生労働大臣が10月30日、大臣就任にあたって報道各社のインタビューに応じた。
――物価、賃金上昇に対応した介護、福祉現場への支援は。
これまでも一定の措置を講じてきたが、依然として物価高騰などの影響が強くあると受け止めている。経済対策についての高市早苗総理の指示も踏まえ、職員の処遇や経営の改善などを力強く支援できるよう努める。これから具体的なことをしっかり打ち出していきたい。
――全世代型社会保障の構築に向けた取り組みは。
高齢化の進展などによって社会保障給付費は今後も増加が見込まれている。能力に応じて全世代が支え合い、社会保険料の負担軽減を図りながら、制度の持続可能性を高めることが重要な課題だ。2023年末に策定した改革工程に基づいて着実に取り組み、今般の連立政権の合意書も踏まえ、現役世代の負担を軽減できるよう与党とも相談しながら丁寧な議論を進めていく。
――高市総理が所信表明演説で言及した「攻めの予防医療」について。
私が会長を務めている自民党の「明るい社会保障改革推進議員連盟」では病気の予防、健康づくりを政策のもっと中心にしようと取り組んでおり、この分野について力を入れて推進していきたい。
――年金制度改革は。
6月に成立した改正法は、被用者保険の適用拡大など働き方に中立的な制度の実現を目指すとともに、将来の受給者への給付を充実させ、さらに基礎年金の水準確保に関わる内容も盛り込まれている。これらの事項を定められたスケジュールに沿って着実に実行していくことが必要だ。
――介護、福祉現場で働く人へのメッセージを。
わが国にとって不可欠な分野で力を発揮していただいており、感謝する。これからも十分に活躍してもらえるよう処遇改善などさまざまな課題に挑戦していく。引き続き力添えをいただきたい。
うえの・けんいちろう 自民党衆議院議員。1965年生まれ。滋賀県出身。京都大法学部卒。2005年初当選。国土交通大臣政務官、財務副大臣などを歴任。

