グッドデザイン賞 防災復興部門に社会福祉法人ライフの学校「六郷キャンパス」
2025年11月07日 福祉新聞編集部
公益財団法人日本デザイン振興会は10月15日、2025年度グッドデザイン賞の受賞結果を発表した。福祉関係では、グッドフォーカス賞(防災・復興デザイン)に宮城県の社会福祉法人ライフの学校(田中伸弥理事長)運営の六郷キャンパスが選ばれた。
六郷キャンパスは東日本大震災の際に津波の水際線となった土地に建てた福祉拠点。地域密着型特別養護老人ホームや保育所など複数事業を一体的に行っている。災害時には避難所にもなり、地域のインフラとしての役割も担う予定だという。
また、将来的な福祉制度の変更や地域の需要の変化を見据え、簡単な内装改修で部屋のサイズや向きを変更できる構造も特徴だ。複数の施設を混ぜ合わせた相乗効果により、地域住民の幸せな場をつくろうとチャレンジしている。
このほかグッドデザイン賞に輝いたのは、一般社団法人福祉とデザイン(酒井咲帆代表理事)が発行するカードキット「TOKETA」。里親家庭で暮らすこどもを対象に開発されたコミュニケーションツールだ。トラウマに配慮したデザインで、こどもの尊厳を保障する実践的なツールだと評価された。
アスクルの介護する人の作業効率向上を目指した大人用おむつや、機能やデザインを徹底的に追求した歩行器「バイエーカーカーボン・ウルトラライト」も選ばれた。
グッドデザイン賞は、優れたデザインの製品やサービス、プロジェクトを表彰するもので、今回は1619件が受賞。大賞には、24年の能登半島地震後に建設された木造仮設住宅が選ばれた。恒久的に使い続けられるのが特徴で、珠洲市と輪島市に166世帯分の2階建て仮設住宅が建てられたという。

