保育、学童の新拠点 地域子育て支援を強化〈南山城学園・京都〉
2025年10月27日 福祉新聞編集部
創立60周年を迎えた社会福祉法人南山城学園(磯彰格理事長、京都府城陽市)は、大阪府島本町で1日に小規模保育「みずの詩保育園」(定員19人)を開園した。12月には学童保育「にじの詩」(40人)を開所する。法人の中期経営計画における地域の子育て支援の充実を目指す新たな事業だ。
島本町は府の北東部にある。1月時点の人口は3万2247人で、2年連続で増加した。2024年の社会増加数(転入超過)は663人となり、全国の町村で第一位。JR島本駅周辺で大型マンションの開発などが進み、子育て世帯を中心とした転入を後押ししている。町も小規模保育、学童保育の整備を重点施策に位置付けている。同法人は22年度から町内で認定こども園「ゆいの詩」(定員150人)を運営しており、地域との信頼関係を築いてきた。
1日に開園したみずの詩保育園は、町内の名水「離宮の水」にちなんだ名称で、少人数制、異年齢保育、ICT(情報通信技術)活用を通じて、こどもの主体性を育む保育を実践する。保育記録を共有し、家庭と園が一体となってこどもの成長を支える。また、にじの詩は町内初の民間学童保育施設で、こどもの「やってみたい!」で彩ることをテーマに、多様な個性と社会性を育む。
両施設は大型マンション「ジオ島本」敷地内で町に無償譲渡された場所にあり、同法人が改修工事を行った。9月末の開所式で磯理事長は「乳児期から学童期まで切れ目のない支援を提供し、地域とともに未来を育む歩みを進めていきたい」とあいさつ。地域住民、行政関係者らとともに新たな拠点の門出を祝った。

