養護老人ホーム、措置控え歯止め掛からず 入所率は85.8%〈老施協調査〉
2025年10月10日 福祉新聞編集部
全国老人福祉施設協議会(大山知子会長)が養護老人ホーム915施設を対象に行った調査(回答率89%)で、自治体が予算抑制などのため入所者を回さない「措置控え」に歯止めが掛かっていないことが明らかとなった。運営難や施設の老朽化などにより、2018~24年度に37施設が閉鎖したことも分かった。
24年4月1日時点の平均入所率は前年比0・5ポイント減の85・8%。18年と比べると4・2ポイント減少した。一方、23年度に閉鎖した施設が6カ所、定員を減らした施設が20カ所(計411人)あったことから、老施協は「仮に施設数と定員数の減少がなければ入所率はさらに低くなっていた」としている。
都道府県別で入所率が高かったのは広島96・4%▽宮崎95・5%▽岡山94・7%。低いのは沖縄56%▽富山60%▽山梨65・3%の順だった。
23年度の新規入所者は1施設平均9・2人なのに対し、退所者は10・3人で、退所者が1・1人多い。単純計算になるが、1年で800人程度の入所者が減ったとも捉えられる。
定員の2割まで受け入れ可能な契約入所は、26%の施設が実施し、準備中を含めると30%を超えた。その割合は年々増えており、背景には空床の有効利用があると考えられる。介護保険の特定施設入居者生活介護の指定を受けている施設は52・4%だった。
調査は措置控えの実態などを把握するため18年度から毎年度行っている。