視覚障害者が触って模様を楽しむワークショップ〈桜雲会〉
2025年09月19日 福祉新聞編集部
点字、録音出版などを行う社会福祉法人桜雲会(一幡良利理事長、東京都新宿区)は8月30日、視覚障害者が模様を触って楽しむワークショップを都内で開いた。視覚障害者は模様についてあまり知る機会がなく、参加した15人は模様の点図をいろいろな触り方で感じ、親しんだ。模様に関するクイズとゲームも行われ、盛り上がった。
視覚障害のある甲賀桂子さん(同会)は約40年前、お茶の先生から巾着袋をもらい「青海波なのよ」と言われた。何のことか分からず、お茶の流派と思っていたが、後になって青海波は模様だと分かった。その経験から模様に触る体験をしてもらおうと、昨年11月に「触って楽しむ模様」(桜雲会刊、2000円)を出版。ワークショップは参加者で模様の楽しみを共有しようと企画した。
参加者は横縞、水玉、市松模様、鱗模様、青海波など模様の点図を、説明を受けながら順に触っていった。人差し指だけで触って形や隙間を確認し、規則的に並んでいることが分かる。複数の指で触ると全体の模様がつかめる。上下、斜めなど違う方向から触ると感じ方も変わり、模様の点図を45度にして触ると、また違った感じを受ける。
参加者は触りながら感心したり、初めて知る模様があったり、それぞれに模様への理解を深めた。
「触り方の説明があってよかった」「規則的に並んでいるのは面白い」「模様の知識がなかったので、模様と名前を一致させたい」などの感想も聞かれた。