里親支援の方向性議論 子ども家庭養育支援地域ネットワークがセミナー

2025年0917 福祉新聞編集部
相澤会長

全国子ども家庭養育支援地域ネットワークセミナーが5日、KKRホテル熊本(熊本市)で開かれ、220人が参加した。全国子ども家庭養育支援研究会(相澤仁会長)の主催で、里親やファミリーホーム(FH)が求める支援について議論した。

開会にあたり相澤会長は、近年のこども家庭福祉について「こども家庭庁の発足や児童福祉法の改正など歴史的な転換点を迎えている」と指摘。新たに児童福祉施設として位置付けられた里親支援センターによる支援の充実が急務だと訴えた。

続く行政説明では、こども家庭庁の篠原修二社会的養護専門官が社会的養護の現状について説明。2025年1月時点で里親支援センターが18自治体に24カ所設置されていることなどを語った。

パネルディスカッションには、全国里親会の河内美舟会長、日本ファミリーホーム協議会の北川聡子会長、全国児童家庭支援センター協議会の福田雅章会長、社会福祉法人日本児童育成園の長縄良樹理事長が登壇した。

河内会長は障害のあるこどもを受け入れる里親が増えている現状を指摘した。その上で里親支援センターによる相談体制の拡充が必要と述べた。

また北川会長は、FHの運営者の半数に不調経験があるが、廃業を考える人は少ない現状を紹介。理由については「個人のスタイルで運営できるため」と分析し、今後も愛着やトラウマなど学び続ける必要性を訴えた。

福田会長は里親のマッチングで「児童養護施設が持つ養育の機能を駆使することが重要」との考えを述べた。里親支援センターについてはソーシャルワークと預かる力、育てる力をミックスして支援が成り立つと強調した。

一方、今年度から里親支援センターを運営する長縄理事長は、15年前から里親への研修を実施しており、県内の里親登録者全員と顔の見える関係を築いていると説明。多機能化を進める中で、今後は法人型FHも検討する考えを明らかにした。

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