ひとり親の半数が「こどもの朝食不十分」 セーブ・ザ・チルドレンが調査
2025年08月06日 福祉新聞編集部
18歳までのこどもを育てる、ひとり親の約半数に当たる49・1%が、こどもが十分な量の朝食を取れていないとしていることが、7月24日、公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの調査で分かった。前年の調査と比べ9・2ポイント上昇した。米が不十分だとする人も4割を超えた。
調査協力者の一人で、こどもの貧困問題に詳しい東京都立大の阿部彩教授は「1年間でこれほど増えたことに驚いた。児童手当の所得制限撤廃ではなく、まずはおなかをすかせたこどもを一人もつくらない政策を進めるべきだ」とコメントした。
調査は同法人による食料の無償配布を希望した世帯を対象に6月に実施。7856世帯から回答を得た。
回答者の9割超がひとり親の女性で、昨年の同じ調査に回答した人が約7割。世帯人数の平均は3・1人。世帯の手取り月収は平均14万5000円だったのに対し、1カ月の消費支出の平均は16万円。そのうち食費は4万3000円で、前年の3万8000円を上回った。
「米をはじめ物価の上昇に見合う賃上げが進んでいない」とした人が8割に上った。調査担当者は「バケツの底が抜けた感じがする。民間頼みの対応では限界がある。一過性ではない、公的な食料支援の整備・拡充を政府に求めたい」と危機感をあらわにした。