優生手術促進を謝罪 関与の検証結果も公表〈日本精神衛生会〉

2025年0804 福祉新聞編集部
会見する小島理事長

1902年に設立され、医師や精神保健福祉士らで構成する日本精神衛生会(小島卓也理事長)は7月24日、53年に日本精神病院協会と連名で優生施策を促す陳情を国に行っていたことを反省し、被害者に謝罪した。今後同じような過ちを起こさないため、断種を強制した旧優生保護法(48~96年)への関与を検証した報告書も公表した。

報告書では陳情に至った経緯を明らかにできなかった。しかし、当時の状況として精神科医療施設の不足、遺伝性に関する誤解などがあり、強制断種に懐疑的な精神科医もいたが黙認した。また、患者や家族に「救済」を装って正当化した背景もあったとした。

会員87人が回答したアンケートの自由記述では、優生手術や人工妊娠中絶を見聞きした経験があるとの回答が23件あった。

同会は反省と今後の決意を宣言にまとめ、「精神医療の職能団体として重大な人道問題に気付ける立場にあった。人間の価値に対する差別や選別に陥ってはならない」などを掲げた。

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