障害児支援で3階層の研修体系構築 27年度以降実施〈こども家庭庁〉
2025年08月03日 福祉新聞編集部
こども家庭庁は、障害児支援に関わる人材育成に向けて「基礎・実践研修Ⅰ、Ⅱ」「リーダー研修」「コア人材研修」の3階層からなる研修体系を構築する=表。これまで体系的な人材育成の仕組みはなく、事業所や利用者が急増する中、支援の質の確保が課題だった。同庁は今後、教材、講義動画、事業者や自治体向け手引の作成などに取り組み、2027年度以降、段階的な実施を目指す。

研修体系の全体像案
これらの内容は7月28日の「障害児支援における人材育成に関する検討会」(座長=有村大士日本社会事業大教授)で報告書案として取りまとめられた。共通の研修の枠組みをつくることにより、全国どこでも質の高い支援を提供できるようにする。障害児支援の従事者がキャリアアップでき、事業所の垣根を越えて地域づくりを進め、包括的な支援体制の充実につなげることも掲げている。
検討会では、従事者が大切にすべき五つの基本姿勢と、求められる九つの共通要素を整理し、それらを育成するため、研修体系には(1)障害児支援の従事者として(2)本人支援(3)家族支援(4)地域支援・連携(5)制度理解(6)組織マネジメント――を組み込んだ。こどもや若者、育児当事者の意見も結論に反映させた。
研修の運用に当たって、基礎・実践研修は職種や実務経験を問わず全従事者が受講することを検討する。別の研修の受講による科目免除は行わず、職場が変わっても再受講は不要とすることなども示した。また、従事者が受講したいと思える研修にすることが最重要であり、障害報酬上の扱いについては慎重な検討が必要とした。