障害児通所サービス、給付決定の要領見直し プロセス標準化図る〈こども家庭庁〉
2025年07月20日 福祉新聞編集部
こども家庭庁は、市町村が行っている障害児通所サービス(児童発達支援、放課後等デイサービスなど)の給付決定事務の要領を見直す。障害児一人ひとりの生活状況に応じて適切に支給要否や支給量を決定できるよう、給付決定プロセスの標準化を図る。
具体的には支給申請前に必要な情報(児童の健診結果、通っている保育所や学校の対応など)を収集することを求め、収集した情報を基に会議体での協議を踏まえて決定することが望ましいとしている。同庁は秋までに要領の見直し通知を出す。
市町村は、障害児の保護者からサービスの利用申請を受けると、同庁が策定した要領を基に決定しているが、市町村ごとに運用が異なり、支給要否や支給量に地域差が生じている。サービスの利用が増えたことで、適切なアセスメントがなくサービス利用計画が作られていることも背景にあるとされる。
こうした課題の解消に向け、同庁は昨年度に要領を改定。給付決定の際は保護者の育児に対する精神的負担、それに対する支援、社会資源とのつながりなどを勘案することが重要だと明示。必要に応じて子育て支援部門につなぐよう努めることなども記載した。
今回の要領の見直しでは、支給申請前の必要な情報収集、会議体による協議を踏まえた支給決定について標準化を図る。見直し通知後、市町村にアドバイザーを派遣して実際の取り組みに対して助言する事業も行う。
これらの方針は4日のこども家庭審議会障害児支援部会に示された。同庁は支給量の基準を設けるのではなく、給付決定の事務手続きを標準化するものだと説明した。
支援部会では委員から、サービスを必要とする人が利用できる支給決定の仕組みとするよう求める発言があった。サービス利用計画の質の確保、セルフプランの適正化のほか、障害児だけでなく、こども施策全体の中で検討することが必要だとする意見もあった。