「社会福祉法人希望」常に最多 福祉系大学生を調査〈日本ソーシャルワーク教育学校連盟〉

2025年0709 福祉新聞編集部

日本ソーシャルワーク教育学校連盟(ソ教連、中村和彦会長)が福祉系大学の学生を対象に行った調査で、2024年度に社会福祉法人に就職を希望した割合が、38%と6年連続でトップだったことが分かった。

調査は、同連盟が19~24年秋に実施した社会福祉士と、精神保健福祉士の模擬試験を受験した大学4年の2万8332人を対象に実施した。結果の公表は今回が初めて。

24年において就活先を聞いたところ、社会福祉法人(35%)がトップ。次いで公務員(17%)▽医療法人(同)▽一般企業(10%)と続いた。

過去と比較すると、社会福祉法人を希望する割合は常に最多で、20年と21年は40%に達した。しかし、その後減少傾向にある。一方、19年に13%だった公務員希望者は24年には17%に増加。一般企業希望者も22年は9%だったが、24年には10%を超えた。

就職先を選ぶ上で重視しているのは、24年では▽やりがい(59%)▽給料(48%)▽希望に沿う休日(45%)の順だった。4年前より「やりがい」は7ポイント減少した。一方で「給料」は5ポイント、「希望に沿う休日」が2ポイント上がるなど「現実を重視する傾向にある」(ソ教連)という。

就職先を選ぶ際に影響した体験は、実習(60%)がトップで、授業(21%)、アルバイト(19%)と続いた。 また24年秋時点で、内定を取った4年生は61%に過ぎなかった。今も欠員に伴う職員募集を待つ姿勢の学生が多いとみられる。

結果についてソ教連は「福祉系大学生は社会福祉法人への就職意欲が常に高い」と評価する。しかし直近では減少傾向にあることから「他分野への人材流出を止めるには大学との連携を強化し、採用時期と実習の在り方を見直すことが必要。福祉の道に進んだ学生の熱意に業界をあげて応えてほしい」と話している。