子ども民生委員 困ったときは助け合おう〈大田区5法人〉
2025年07月02日 福祉新聞編集部
東京都大田区の五つの社会福祉法人による「子ども民生委員」の委嘱式が6月21日、区社会福祉協議会で行われた。小学1~6年の11人が参加し、福祉や民生委員の活動について説明を受けた後、委嘱状が授与された。今後、地域の祭りで民生委員の活動を周知したり、街頭で「歳末たすけあい募金」を呼び掛けたりする。
子ども民生委員では、地域に住む人が互いに助け合うことを民生委員の活動を通じて学んでもらう。区社協と大洋社、池上長寿園、大田幸陽会、有隣協会の四つの福祉法人が、ひとり親家庭などの小中学生に「生きる力」を身につけてもらうため、約10年前から取り組む学習支援事業「れいんぼう」の一環。これまで延べ173人がれいんぼうに参加した。
同日は、社協職員が福祉とは普段の暮らしを幸せにすること。そのために民生委員は相手の立場になって相談に乗る。地域のことをよく知っていて、通学路で見守りもしているなどと説明。その後こどもたちが民生委員に質問した。「民生委員をしていてうれしかったことは」に対して「ありがとうと言ってもらえる」。「意識していることは」との質問には「相手の気持ちになって一緒に考える」と答えた。
緊張気味だったこどもたちは次第に慣れ、全参加者によるレクリエーションでは笑顔を見せた。民生委員の存在を知り、普段関わりのない大人とも交流する機会になった。
区には41の社会福祉法人が参加する「おおた福祉ネット」がある。区内4エリアで法人と地域福祉コーディネーターがニーズに応じた地域貢献活動を展開している。大洋社の斎藤弘美理事長は「社会福祉法人、民生委員、NPO法人、企業など、地域の社会資源が緩やかにつながって困り事を解決していく。好循環をつくっていくことが大事」と話している。